コラム

〇%オフと〇円引きどっちがお得?

購買欲を刺激する数字のマジックの中身

まったく同じ製品でも、消費者はよりお得感のあるところで購入するものです。
それだけに、販売店としてはできるだけ割安感を演出したいと考えています。
そこで、よくあるのが「〇%オフ!」とか「○○円引き」といったポップを付けて、通常価格よりもずっと値下げされていることをアピールする手段です。

この方法もさらに上手に使うことで、よりお得に見せることができます。
たとえば、アウトレットストアなどでは、「店内全品50%オフ」という表示がなされていて、商品には「レジにてさらに30%オフ」といったタグが付けられていることがあります。
一見すると、これは合計で80%もの値引きになるのかと驚き、お得だと思って購買欲が一気に高まるわけです。
しかし、これは数字のマジックとも言える方法です。

本当に80%オフであれば、1,000円のアイテムは最終的に200円になるはずです。
しかし、まずアウトレット価格として50%オフをすると500円となります。
そこから30%を引くと最終的には350円になり、割引率としては結局に65%にしかなっていないわけです。
こうして見ると一瞬見間違う数字ですが、ちょっと落ち着いて計算してみると実際の数字が分かります。

実際どっちがお得なの?

このように、セール品でよくある「〇%オフ」という表示は、実際の値引き額を見ないと分からないものです。
一方で、「○○円引き」というのはすぐに計算ができます。
そのため、どちらがお得かを知るためには、きちんと計算をしないと分からないわけです。

一つ言えるのは、上記のように「〇%オフ」という表示にするとお得感が強くなるものですし、数字のマジックもあって正確な値引き額が分かりにくくなります。
そのためお店側としては「○○円引き」よりも「〇%オフ」の方を使う傾向が強いのです。
見た目の印象に引きずられることなく、毎回計算した方が良いでしょう。

また、こうした表示は商品のタイプによっても印象が変わるとされています。
たとえば、ブランド品やそもそも値段が高い商品については「〇%オフ」とした方がお得感が出やすいものです。
一方で、ノーブランドの品やいつも決まった価格で売られているアイテムについては「○○円引き」という方が印象が強くお得に感じられる傾向にあります。
こうした製品タイプの違いにも注目してチェックしてみるのも良いでしょう。

いずれにしても、本当にお得なのか、単に割安に感じられるだけなのかというのは、実際に値引き額を計算しないと分からないものです。
お店は購買欲をそそるための工夫を行っていますので、それにあまり惑わされないよう毎回しっかりと実質金額を見ることが大事なのです。